日本芸術療法学会

セミナーについて

芸術療法研修セミナー2023のお知らせ

 2004年度から本学会が開始した芸術療法士の認定制度も19年を経過し、多くの芸術療法士が誕生しています。本学会の認定芸術療法士になるためには当セミナーへの参加が必須となっており、本年も10月に東京医科大学病院を会場に研修セミナー(プライマリ―コース、アドバンストコース)を開講します。 今年は日本芸術療法学会の学術大会が9月初旬の開催となっており、日程的にその大会後の開催となりました。

 当学会も50年を超える歴史を持つにいたり、現在大きく変わろうとしています。それは世界の社会文化的、地政学的、気候的変化とも不可分であり、変わり続けることによって本学会の価値を新たに創造し続け、未来へ継承されていくために避けて通れない道でもあります。

プライマリーコースでは、医療や心理、教育、福祉など対人援助職の立場から芸術療法の世界に入られた方もいる一方、健康増進や生きる意味や喜びの発露として芸術表現をご自身のアイデンティティとし職業的に、あるいはボランティアなどの立場から実践され、そこから芸術療法の世界を知ったという方も多く参加をされています。この芸術療法の世界の入口としてプライマリーコースは芸術療法の様々な側面を紹介してきました。

 今年はそのプログラムをさらに見直し、総論的なところでは健康とは、病気とは、医療とは何か、そして治療において心理的治療とは、芸術療法とは何か、という本質的な問いを改めて立ち上げ、芸術療法の根本を再考します。各論的なそれぞれの技法においては芸術表現が結果として「作品」として残る描画・箱庭・クラフトワークなどの技法と、時間の中で表現され、その場の時間、一回性の中に消えていくように見える音楽・ダンス:心理劇など、いわゆる「時間芸術」といわれる表現の技法などについてそれぞれの専門家からその特質をわかりやすく提示します。

 アドバンストコースではより臨床的、実践的な芸術療法を目指す方たちに向けて自身の研鑽と経験を重ねるための具体的な参考となるように、海外で芸術療法の研修体験を積んだ方や臨床家でない「アート活動」から芸術療法の世界へ入り、臨床やその他対人援助の場面で活動をされている先達の経験と工夫、困難に感じたことなどを紹介し、これからの研修や自己研鑽のあり方を共に考えていきます。

 また今年の目玉企画として、現在様々な臨床場面や一般的な社会生活にも大きく影響を与えつつある「AIー人工知能ー」が、芸術療法や人の芸術表現にどのような影響を与え、また私たちの精神生活にどのような変化をもたらし得るのかということを、臨床現場に引きつけて考察します。またアンケートの結果から多くの受講者が希望されていることが示されている「論文の書き方」についても、芸術療法の実践上の工夫、それを学会で発表し新たな気づきを得ることと結びつけて提示し、さらにわかりやすくする試みをしてみます。すでに本研修セミナーを修了していらっしゃる方にとっても新しく学ぶところがあることと思いますので芸術療法士を目指している方も、すでに資格を取得している方も、みなさんふるってご参加下さい。

日本芸術療法学会 理事長 高江洲義英
芸術療法研修セミナー 委員長 富澤治
副委員長 茨木博子・横山恭子

   
開催日 2023年10月8日(日)・9日(月・祝日)
場 所 東京医科大学病院 8階会議室
〒160−0023 東京都新宿区西新宿6−7−1
(東京メトロ丸ノ内線 西新宿駅(東京医大病院前)2番出口またはE5番出口よりすぐ 都営大江戸線 都庁前駅 A7番出口より徒歩約7分 JR新宿駅より徒歩約13分)
参加定員 プライマリーコース 50名 アドバンストコース 30名
参 加 費 会員 30,000円 一般 35,000円 (今年は懇親会は行いません)
申込日程 プライマリーコース:
会員・一般  2023年7月11日(火)~9月25日(月)
アドバンストコース: 会員  2023年7月11日(火)~9月25日(月)
一般  2023年8月10日(木)~9月25日(月)

※本セミナーは日本精神神経学会、臨床心理士資格認定協会のポイント取得の対象です。

芸術療法研修セミナー2023プログラム

Primary Course

10月8日(日)
時間 演題 担当講師
  9:50~10:00 開会の挨拶  富澤治
 横山恭子
 大沼幸子
  10:00~11:00 病気とは?治療とは?芸術療法とは何か(総説):前半
  休憩
  11:10~12:00 病気とは?治療とは?芸術療法とは何か(総説):後半
  昼休み
  13:00~17:20 箱庭・描画・造形など「作品化」する芸術療法  兼城賢志
 牧瀬英幹
  17:30~18:00 クールダウン・1日のシェリング  
10月9日(月)
時間 演題 担当講師
  9:10~10:40 ダンス療法 葛西俊治
  10:50~12:20 心理劇 小笠原美江
  昼休み
  13:20~14:40 音楽療法 高田由利子
  14:50~15:30 総括
閉会の挨拶
 

Advanced Course

10月8日(日)
時間 演題 担当講師
  9:50~10:00 開会の挨拶  
  10:00~12:00 芸術療法各技法の独自性と共通性、連携と実践上の工夫について  寺沢英理子
 北本福美
 茨木博子
  昼休み
  13:00~15:50 「感性教育とA.I.(Augmented Intelligence)」  富田直秀
 宮田裕子
  16:00~18:10 「アート活動から『芸術療法』へ」  藤井智美
 岡田七歩美
 福永久美子
10月9日(月)
時間 演題 担当講師
  9:00~10:30 「海外での研修体験から日本の研修制度を考える」  鈴木綾香
 大竹孔三
  10:40~12:00 「表現精神病理学とは何か、表現精神病理学は必要か」  伊集院清一
 大川ふみ
  昼休み
  13:00~15:00 学会発表から論文投稿へ  富澤治
 寺沢英理子
  15:00~15:30 総括
閉会の挨拶 
 

芸術療法研修セミナー 2023お申し込み上の注意

お申し込みは日本芸術療法学会ホームページ(https://jspea.org)からのみとなります。郵送その他の方法では行っておりませんのでご注意願います。

定員に達するまでは、お申し込み順に、折り返し参加費振り込みのご案内を差し上げますが、それ以降の方はキャンセル待ちとなります。なお、参加資格はお振り込みが完了した方から順に得られることになりますので、お間違いのないようお願い致します。また、一度振り込まれた参加費の返金は致しかねますので、慎重にご対処下さい。

プログラムの内容は、講師の都合により一部変更される場合もありますのでご了承下さい。

 

学会情報

このページはリンクフリーです.リンクの際はメールをいただけると幸いです.このページに掲載されている情報,画像等の無断複写,転載を禁じます。

画像:背景